弁護士プロフィール
牛島総合法律事務所
石川 拓哉 弁護士
いしかわ たくや
石川拓哉弁護士(第二東京弁護士会所属)
https://www.ushijima-law.gr.jp/attorney/takuya-ishikawa/
企業(上場・非上場)のガバナンス・コンプライアンスに関する対応や、海外関連の事案など、幅広い企業法務を担当する。相談者に対し、きめ細かいヒアリングを実施するだけでなく、難しい案件を分かりやすく説明する。
一般企業法務
企業(上場・非上場)における法律問題に関するアドバイス
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セミナー実績
【法改正ステーション#31】No.1表示に関する実態調査報告書の企業への影響(LegalOn Technologies)
本文『7月末まで期間限定50%OFF』
このような期間限定キャンペーンの表示はWEB広告でよく見られるが、年々消費者庁の注目度も高くなっている。数年に1回程度の執行事例であったが、直近を見るとGEO、エステティックサロンと立て続けに執行事例が上がっている。
キャンペーン表示の執行事例のポイントについて、石川弁護士に話を聞いた。
キャンペーン価格について
現在問題となっている典型的な表示は次のようなものだ。
例えば、事業者が商品Aについて「7月限定50%OFF」とホームページに表示し、7月1日から31日までの間だけお得に購入できるかのように広告したとする。その表示を見た消費者が、商品Aを7月中だけ割安に買えると考えて急いで購入した。ところが、8月に改めてホームページを確認すると、今度は「商品Aは8月限定50%OFF」と表示されていた
というものだ。
このような場合、消費者は期間限定キャンペーンの表示によって購入するかどうかを決定するもので、同じキャンペーンが別のタイミングで行われることを知っていたのであれば、当初のタイミングでは購入しなかった可能性もある。
消費者庁は現在、このような表示に注目をしているのだ。
では、期間限定キャンペーン表示について、具体的に事業者がどのようなポイントを見落としがちなのか、石川弁護士によれば大きく分けて4つのポイントがあるという。
- 同一の内容でなければOK
- 同業他社も展開しているのでOK
- 打ち消し表示で案内しているからOK
- キャンペーン開始後の運用状況の見落とし
今回は、この4つの中で特に注意しておきたい1つ目のポイントについて解説する。
「この中で最も事業者が見落としがちなポイントは、同一のキャンペーンではないから問題ないと判断するケースです。事業者側では、対象商品、割引率、特典内容、対象店舗などの取引条件を少し変更して、前回とは別のキャンペーンだと考えて類似のキャンペーンを実施したことで、処分を受けてしまうというものです」
代表的な執行事例は、2020年6月に5億5274万円の課徴金納付命令となった、加熱式タバコの販売キャンペーンを行ったフィリップ・モリス・ジャパンだ。
同社は、最初に「7月31日までは4600円OFF」というキャンペーンを実施していたが、終了後に特定の店舗で「8月11日から3000円OFF」、あるいは、別の店舗で「8月1日から2000nanacoポイント付与と1000円のキャッシュバック」を実施した。キャンペーンの内容は微妙に異なるが、その内訳はどれも似ているものばかりだ。
「キャンペーンの中身が違うので問題ないかと考えるかもしれませんが、消費者庁は「ほとんど全ての期間、キャンペーン表示記載の値引きが適用される、またはポイントが付与されるものであった」として、まとめて一つの有利誤認表示だという認定をしました」
キャンペーンを繰り返し実施し、その内容がポイントの付与やキャッシュバック等で異なる場合でも、同じキャンペーンの繰り返しと認定される場合がある。
「重要なのは、一般消費者の観点でどう見えるかという事です。同一のキャンペーンではないと判断して良いかどうかは、一般消費者の観点から、同じような経済的利益が継続して提供されているとみられないかどうか、慎重に確認する必要があるという点ですね。」
また似たような観点から問題となるケースで、次のような事例も注意が必要だと石川弁護士は説明する。2022年3月15日にセドナエンタープライズが実施したプレゼントキャンペーンだ。
このキャンペーンでは、家庭用光脱毛器の購入者に対しケアセットをプレゼントとして配布したが、日によってプレゼントの商品内容をズラして提供していたという。
「一般消費者としては、景品セットの内容そのものではなく、セットで提供される景品がその日限定で提供されるという点が有利な点と判断して、購入するかどうかを決めます。中身を多少入れ替えたからといって、実質的に同一の内容が継続していると法律上は評価され、有利誤認表示として見られる可能性があります。」
キャンペーンの内容を微妙に変えて継続的に実施する方法は、過去の執行事例で既に問題と指摘されているため早急に改善する必要がある。キャンペーンを実施する場合は、数ヶ月程度程度の間隔を空けることを含め、消費者に「期間中に急いで購入しなくても良かった」と思わせないことが重要だ。
つまり、消費者から見て、期間限定キャンペーンの対象商品・サービスの購入で得られる割引率やプレゼントの内容などが実質的に同一又は類似のものとして継続していると見られないようにすることである。
まとめ
キャンペーン価格の執行事例で見落としがちなポイントについてまとめた。期間限定と表示しているにも関わらず、キャンペーン期間を延長したり、他のキャンペーンと実質的に変わらない内容のものを実施していると、措置命令等の対象となってしまう恐れがある。担当者は改めて見直すと良いだろう。
今回挙げた他の3つのポイント(同業他社も展開しているのでOK、打ち消し表示で案内しているからOK、キャンペーン開始後の運用状況の見落とし)も、事業者が見落としがちなポイントだが、これらはNo.1表示や初表示でも注意すべき内容だ。そのため別記事で「事業者が見落としがちなポイント」として紹介する。
今回はキャンペーン表示の話だが、この表示を端緒としてNo.1表示をチェックする可能性もある。そのため、No.1表示以外でも執行事例を確認しておくと良いだろう。
本インタビューの監修者
未来トレンド研究機構
村岡 征晃
1999年の創業以来、約25年間、IT最先端などのメガトレンド、市場黎明期分野に集中した自主調査、幅広い業種・業界に対応した市場調査・競合調査に携わってきた、事業発展のためのマーケティング戦略における調査・リサーチのプロ。
ネットリサーチだけなく、フィールドリサーチによる現場のリアルな声を調査することに長け、より有用的な調査結果のご提供、その後の戦略立案やアポイント獲得までのサポートが可能。
そんな我々が、少しでもマーケティング戦略や販売戦略、新規事業戦略にお悩みの皆さんのお力になれればと思い、市場調査やマーケティングに関しての基礎知識や考え方などを紹介しております。
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2026年07月18日





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