消費者庁へのインタビュー「No.1表示のための調査対象者の適切な選び方・考え方」

消費者庁インタビュー「No.1表示のための調査対象者の適切な選び方・考え方」

2026年06月30日

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No.1表示の裏付け調査を行う際に、競合相手を如何にして適切に選定するのか、事業者として悩んでいる事もあるだろう。今回は、競合相手の選定方法について消費者庁の見解を伺った。

競合相手の選定方法は事業者が責任を負う

大前提として、表示の最終的な責任を負うのは事業者であり、その自覚を持つ姿勢が重要だ。

「仮に調査会社が実施した調査結果を元に、問題のある表示を掲載した場合でも、責任を負うのは事業者さんです。表示の中に調査会社名が記載されれば、形式上調査会社の名前も公表されますが、矢面に立つのは事業者です」

調査会社が競合事業者の選定を間違えてしまったとしても、調査会社に全責任があるとは言い切れない。

「調査会社よりも事業者の方がその領域・業界に精通しているため、調査対象をより正確に選ぶのであれば、調査会社ではなく事業者が選ぶべきだと思います」

競合調査を実施する場合は、競合相手の選定基準を明確にしておくと良い。
一方で、No.1表示のために網羅的に調査を実施しても、抜け漏れが生じる事もある。そのような場合はどうなるのか。

「重要なのは、恣意的な調査を背景にしたNo.1表示かそうでないかという事です。勿論、表示するNo.1の中には、判断が難しいものもありますが、実態調査報告書に示した指針に沿って実施したのかという点が重要となります」

No.1実態調査報告書には「完璧なNo.1を作って欲しい」「No.1表示を今後控えるように」といった文言は存在しない。重要なのは、公正な視点で調査を実施していたかどうかという点だ。

競合相手をどのようにして選定し、どの期間に調査を行い、いかなる結果を元にNo.1表示を掲出したか。この資料を提示出来れば、万が一掲載した表示で指摘が入ってしまった場合でも弁明する機会はあるだろう。

「独自のNo.1表示のために競合相手を選定するのが難しいのであれば、第三者の中立的な視点で作成された資料を根拠に判断するのも1つの手です。恣意的にならないように競合相手を公正な視点で選んだ事を示すようにすると良いでしょう」

公正に選ぶ方法は

公正に選定すると言っても、具体的にどのように抽出すれば良いか分からない事業者もいるだろう。そこで、未来トレンド研究機構の調査事例に沿って、選定方法を紹介する。競合相手を選定する際は次の工程を踏むと、網羅的な対象者を抽出出来る。

手順1:競合相手の選定を実施する。
業界通念上、クライアントおよび現場サイドでバッティングする競合認識先企業を選定する。これだけで網羅的ではないため、大まかな競合相手を割り出すフェーズとなる。

手順2:公開データを検索
次に新聞や業界紙で公開されている「業界シェア」、「Googleアクセスランキング」等で出てくる競合企業を全てリストアップし、手順1で割り出した企業と照らし合わせた事業者が、網羅的に選定した対象者となる。

2つの手順に沿って提示された競合相手を元に、No.1表示の調査を実施する。

注意点
網羅的な選定を実施する際に注意点がある。AIにリサーチさせた場合、網羅的に抽出出来ていない可能性がある。おおよその指針をAIが提示する事は出来るが、調査結果を信用出来ない可能性がある。あくまで人の手で選定する事が重要だ。

恣意的になる場合は別視点で調査を

競合相手の選定において、例外的に調査会社に責任を問えるのは、調査会社主導で「恣意的な選定」が行われたケースだ。

「例えば調査会社から商談時に「こういうNo.1表示であればうちで取れます」と言われた場合は、恣意的な調査を実施する恐れがあるので注意が必要です。これを回避するためには、調査会社主導となる調査を避けることです」

調査会社に競合相手の選定方法を相談した際、選び方をアドバイスしたり、調査過程を相談しながら進めるのであれば良いが、「自社で進めるので調査結果を待ってください」と言って結果だけを提示する場合は注意が必要だ。

消費者庁が重視する視点

今回のヒアリングで、消費者庁が重視する視点が判明した。「ガイドラインに沿って、恣意的な調査を実施していたかどうか」という視点だ。

完全なNo.1表示や初表示というものは存在せず、調査の視点、角度によってはグレーゾーンと判断されてしまう恐れもある。このような状況に陥ってしまった際に出来る事は、事業者が、ガイドラインに沿って、恣意的にならないよう公正な視点で調査を実施していた根拠を示せるかどうかだ。

万が一調査に入ってしまった時でも、事業者として適切な資料を提示すれば、注意・指導に留める事が出来るかもしれない。改めて自社で適切な運用を行なっているか、確認しておくと良いだろう。

本インタビューの監修者

未来トレンド研究機構 
村岡 征晃

1999年の創業以来、約25年間、IT最先端などのメガトレンド、市場黎明期分野に集中した自主調査、幅広い業種・業界に対応した市場調査・競合調査に携わってきた、事業発展のためのマーケティング戦略における調査・リサーチのプロ。

ネットリサーチだけなく、フィールドリサーチによる現場のリアルな声を調査することに長け、より有用的な調査結果のご提供、その後の戦略立案やアポイント獲得までのサポートが可能。

そんな我々が、少しでもマーケティング戦略や販売戦略、新規事業戦略にお悩みの皆さんのお力になれればと思い、市場調査やマーケティングに関しての基礎知識や考え方などを紹介しております。

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