中国のライブコマースで今起きていること

インタビュー日 2024年10月7日

本インタビューの目的

本インタビューは、海外調査などで多くの実績を誇る未来トレンド研究機構が監修・実施しております。

海外進出や海外への事業展開などを検討されている皆様のお力になれればと思い、各企業様へ海外における最新トレンド(生成AI・ブロックチェーンなど)に対する考え方や実績など、ここにしかない情報をインタビュー形式でご紹介しております。

TwitchやTikTok LIVE、Instagram Liveなどライブ配信コンテンツは市場規模が年々拡大している。その中で一歩リードする中国では、ライブ配信とネット通販を掛け合わせた「ライブコマース」は中国のみで33兆円規模と言われ、ライバーは稼げる職種であるという認識だ。

ライブコマースの最先端の都市が、EC市場の最先端でもある中国杭州であり、日々様々な新たな技術や新しいビジネスが展開されている。そこに進出を決めたのが、AnyMind Groupだ。中国のEC市場や生成AIを活用したeコマースについて、AnyMind Group Global eCommerce事業部長 久保 銘中氏に話を聞いた。

AnyMind Group

https://AnyMindgroup.com/ja/

AnyMind Groupは、2016年にシンガポールで創業し、アジア市場を中心に15ヵ国・地域に拠点を構えるテクノロジーカンパニー。EC・マーケティング・生産管理・物流などの領域で、11個のプラットフォームやソリューションを展開。プラットフォームとオペレーション支援を組み合わせた「BPaaS」(Business Process as a Service)モデルで提供することで、DX推進と業務の効率化・省人化を実現し、クライアントの事業成長に貢献する。

eコマースの現状

AnyMind Groupが杭州へ進出した理由は、eコマースの発展が大きく関係している。

「以前は、インターネットで情報を得るためには、検索エンジンなどを活用し、自分で検索して調べる必要がありました。しかし今では、SNSプラットフォームが自動的にユーザーに合った情報をおススメしてくれるようになっています」

実際にTikTokやYouTubeでは、このようなアルゴリズムを採用し、視聴履歴を加味して、その人が視聴する可能性が高いコンテンツを画面上に表示する。

「魅力的な情報が人へ提示出来るようになったとしても、一方通行のやり取りでは商品を購入する後押しが難しいという問題がありました。しかしライブ配信はライバーが商品の魅力をリアルタイムで伝えるため、視聴者のコメントに対し反応することができます。双方向のコミュニケーションが可能になった結果、商品を購入しやすくなったのです」

TikTok、YouTubeにライブ配信で商品を購入出来るシステムが構築すれば、この流れは今以上に加速し、日本でもライバーがさらに注目される職種となるだろう。

AnyMind Groupはなぜ杭州へ

今ではオンライン上で必要な情報を簡単に得られるにも関わらず、なぜAnyMind Groupは杭州オフィスを構えたのだろうか。その理由はネット検索では分からない「情報」が関係している。

「日本国内からの情報収集では、現地の最新情報を入手するまでにどうしても時間が必要です。ECに限らず生成AIの技術を含め、日々進化しています。最新のトレンドを掴むためには、現地で実際に担当者と顔を合わせなければなりません」

最先端のトレンドを掴むには、現地で最新の情報を知らなければならない。中国はプラットフォームの制約があるため、日本から最新の情報を正確に掴む事が出来ない問題もある。

「中国最大手のECサイトアリババのHQがあり、担当者が日々様々なブランドや運営代行会社と対面で会い、事業のフィードバックに活かしています。さらに、ブランドだけでなく密接に繋がっているライバーの拠点ともなり、eコマースの拠点として情報交換が積極的に行われています」

最先端の情報を入手できる地域に進出することで、日本国内では得られない情報を入手できる。生成AIを始めとした伝達技術が進歩しても、人対人から情報を得るためには、現地でのコミュニケーションが最も重要となるのだ。

AnyMind Groupの将来性

AnyMind Groupでは、様々なAIを活用し、事業者の支援をしている。2024/9/25には他言語対応可能な生成AIライブコマースプラットフォーム「AnyLive」の提供が始まった。

AnyLiveとは

https://anylive.jp/

生成AIを搭載したプラットフォームで、多言語対応のAIライバー(AIによってモデリング・生成されたアバター)を活用したライブコマース配信が可能。これにより、ブランド企業は、時間・場所・言語を問わず、24時間365日ノンストップで商品の紹介や販売をリアルタイムで行える。また、当社の専門スタッフによるオペレーション支援を組み合わせたBPaaS(*1)モデルを採用し、データに基づいた精度の高いソリューションを提供します

*1Business Process as a Serviceの略。ソフトウェアとオペレーション支援機能を組み合わせて提供するビジネスモデル

「今後は、事業者、クリエイター、メディア、アプリなど、私たちのプラットフォームを利用することで、アジア、中東、インドに進出できるようなサポートをしたいと考えています」

世界のトレンドの中心部にオフィスを構えることで、より精度の高い情報を発信する。生成AIが発達したとしても、このような手法が今後も変わることは無いだろう。

現地の最新情報を得るのであれば、AnyMind Groupのように、トレンド最先端のエリアにオフィスを構え、現地でしか得られない情報を元に新たなビジネスを模索するのが成功に繋がるかもしれない。

(記者 山口 晃平)

本インタビューの監修者

未来トレンド研究機構 
村岡 征晃

1999年の創業以来、約25年間、IT最先端などのメガトレンド、市場黎明期分野に集中した自主調査、幅広い業種・業界に対応した市場調査・競合調査に携わってきた、事業発展のためのマーケティング戦略における調査・リサーチのプロ。

ネットリサーチだけなく、フィールドリサーチによる現場のリアルな声を調査することに長け、より有用的な調査結果のご提供、その後の戦略立案やアポイント獲得までのサポートが可能。

そんな我々が、少しでもマーケティング戦略や販売戦略、新規事業戦略にお悩みの皆さんのお力になれればと思い、市場調査やマーケティングに関しての基礎知識や考え方などを紹介しております。

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