弁護士プロフィール
小林・弓削田法律事務所
神田 秀斗 弁護士
かんだ ひでと
知的財産法務を専門とし、特許・著作権・ブランド保護などの紛争対応や契約交渉を多数経験。
日本法だけでなく英国/欧州GDPRを含む個人情報保護法制に精通し、法的に正しいだけでなく、IPとデータを守りながら、企業の収益と競争優位につなげる法務を提供。
英国SQE合格・香港/中国での実務経験を基盤に、英文契約、海外進出・撤退、M&Aなどの国際案件を一気通貫でサポート。
特に「コンテンツ × 海外展開」を強みとし、中国での模倣品対策や香港での事業支援に注力しています。
本文AIを活用して広告を制作する、あるいはチェックするなど、多岐にわたる活用が進んでいる。広告が違法な表示にならないよう、チェックするツールも開発されている。一方で、AIを過信すると、表示をめぐるトラブルが発生する恐れもある。では、どのように向き合えば良いのか。景品表示法に強い神田弁護士に見解を求めた。
AIを活用する場合に事業者が注意すべき事
AIに丸投げして広告やLP(ランディングページ)の文章を作成するケースが散見される。補助ツールとして使う分には問題ないが、全面的な依存には警戒が必要だ。
「仮に『景品表示法に精通した弁護士事務所と共同で開発したツール』をもとに広告を作成しても、表示として問題ないという事はありません。AIを広告作成に用いた場合であっても、表示行為主体はあくまで事業者です」
表示の最終的な評価を行うのは消費者、ひいては消費者庁や裁判所であり、AIではない。AIを過信すると、ツール上は「問題ない」と評価された表示でも、有利誤認表示や優良誤認表示に該当する恐れがあるため注意が必要だ。
2つ目は、AIの活用は免罪符にはならないという事だ。
景品表示法のチェックツールとして評価の高いツールを活用して広告運用を行っている事業者が、行政から指摘を受けた場合、「AIが問題ないと言った」といった言い訳は通用しない。
「AIツールで問題ない表示だったので、表示を行った。AIツールを開発した事業者が悪い」という責任転嫁は認められないのだ。
上記のとおり、表示の掲載を最終的に決断するのは事業者だ。消費者庁はツールの評価がどうであれ、最終的に表示を掲載する判断を下したのは事業者であり、事業者側に責任があると判断する可能性が高い。
「景品表示法は、文言の抽象性から適用の幅が大きい法律であり、消費者庁(究極的には審査担当者)の解釈・認定により、判断結果が変わり得るものです。社会の評価関心に応じてこれまで確定していなかった分野での消費者庁の解釈が確立される事もあります。チェックツールとして活用する際は、最新の消費者庁の法解釈や傾向を前提にAIを使用する必要があります」
AIと事業者の向き合い方
では、事業者はどのような形でAIツールと向き合えば良いのか。神田弁護士は「補助ツールとして活用する」ことが賢明だと指摘する。
「表示の根幹となる部分は人間が担当した上で、補助的な利用方法としてAIを活用するのであれば問題ないかと思います。大切な事は、AIを過信しない事です」
広告に関する表示をチェックする際は、AIツールで誤字脱字や問題のある表現をリストアップし、その後、担当者の目で一つずつ確認する。担当者でも表示の評価が難しい場合は、弁護士に確認を依頼する。この流れが、最も自然で確実なチェック方法だ。
「実際に私も業務でAIツールを活用していますが、AIの解釈が誤っている事もあります。今後のことは分かりませんが、現状、AIはあくまで補助ツールであり、事業の根幹に関わる部分は人間の目で一つずつ確認しておくと良いでしょう」
AIに丸投げするのではなく、業務効率化のためにAIを活用する。この使い方が最も賢い方法と言えるだろう。
まとめ
AIをどのように使うのが最適か、改めて事業者自身で協議し、運用方針を検討しておくと良いだろう。事業者側で適切な運用方法を確立できない場合は、AIだけに頼らず、景品表示法に強い弁護士の意見も踏まえて運用体制を整えることを推奨する。
本インタビューの監修者
未来トレンド研究機構
村岡 征晃
1999年の創業以来、約25年間、IT最先端などのメガトレンド、市場黎明期分野に集中した自主調査、幅広い業種・業界に対応した市場調査・競合調査に携わってきた、事業発展のためのマーケティング戦略における調査・リサーチのプロ。
ネットリサーチだけなく、フィールドリサーチによる現場のリアルな声を調査することに長け、より有用的な調査結果のご提供、その後の戦略立案やアポイント獲得までのサポートが可能。
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2026年04月09日





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