弁護士プロフィール
森大輔法律事務所
森 大輔弁護士
もり だいすけ
<森大輔法律事務所紹介>
https://moridaisukelawoffices.com/
2015年7月に銀座に開業。複雑化・多様化する社会を背景に、複数の法律分野にまたがる横断的かつ多面的な問題を解決すべく、企業法務を専門とする弁護士で構成された法律事務所。人事・労務、景品表示法、債権回収、M&A、契約書作成、知的財産、クレーム対応、事業承継など、多数の企業法務案件を扱っている。
2009年の弁護士登録以来、企業問題に取り組む。森大輔法律事務所を開所し、労働分野や広告、景品表示案件を中心に多くの顧問先をサポートしている。講演実績は多数あり、企業向け・社会保険労務士向けの労務問題セミナーを定期的に開催している。
<講演実績>
| 2024年 2月 | 社労士事務所向けセミナー「未然に防ぐ職場のパワハラトラブルセミナー」 |
|---|---|
| 2023年12月 | 2023年をまとめて振り返る景表法違反事例&ステマ規制対応ポイント解説セミナー |
| 2023年 7月 | これからの企業に求められるステマ規制対応 徹底解説セミナー |
| 2022年12月 | 今年を振り返り注目するべき「景表法違反事例」まとめて徹底解説オンラインセミナー制の概要と対応の実務~」 |
本文『森大輔法律事務所 森大輔弁護士へのインタビュー』これからのNo.1表記〜事業者が知るべき「不実証広告規制」と「改正景表法に向けた心構え」とは〜
No.1、初の表記をする際、景品表示法(以下 景表法)に精通している弁護士の多くは「不実証広告規制」に則った対策ができるかどうかが重要と考える。No.1、初表記を行う際にポイントとなる「不実証広告規制」とは一体どのようなものかについて、様々な企業の顧問相談を務め景表法に関するセミナーを積極的に実施している森大輔法律事務所の森弁護士に話を聞いた。
1.No.1も不実証広告規制の対象に
不実証広告規制とはNo.1や初の表記を行った広告事業者が調査対象となった際、消費者庁に対して表記の裏付け(合理的根拠)となる資料を提出しなければ、不当表示に該当するという制度だ。
森弁護士によれば「不実証広告規制は、著しく優良かどうかを広告事業者の方で合理的根拠を示して立証するという構造になっており、結果的に立証責任が広告事業者に課せられていることになります」とのこと。事業者はNo.1表記に対し、客観的な合理的根拠を示せなければ、措置命令・課徴金納付命令の対象となると考えて良いだろう。
「No.1や初の評価の中で無限定なものは立証が難しく、確かな根拠を調査するだけでも至難の業です」(森弁護士)
学習塾Aが「高校生が選ぶNo.1学習塾」という表記を正しく行う場合漠然とした表記ではなく、以下のポイントを押さえておく必要がある。
- どのような学習塾の中での1番なのか
- 実際にアンケート対象の学習塾を利用したことのある高校生か
- いつの時点の調査なのか
- 調査内容のうち質問事項などが公平な構成となっているか
表記の根拠となる証拠を示す事が出来れば、No.1表記について、客観的な調査に基づいて調査を実施したと評価出来るだろう。
事業者がAという商品の広告で「アフターサービス満足度No.1」と表記したいとしよう。この表記を見た一般消費者は、実際に商品を利用し他の商品と比較をして調査をした結果、Aという商品がNo.1だと判断してしまう。
事業者が上記の表記を達成するためには、商品の利用者を対象にアンケート調査を実施しなければならない。実際には商品を購入し利用したことのない人からのアンケート結果を提示しているのであれば、消費者が受け取る印象と大きくかけ離れた表記となり、措置命令対象となってしまう。アンケート結果と表記したいものがかけ離れないようにすることが、正しいNo.1表記では重要だ。
No.1表記では調査過程を事業者側が説明できるようにしておかなければならない。その際、注意が必要なのが「この調査はあながち嘘ではない」と説明するケースだ。
「業界の知識が一定以上ある事業者は、あながち嘘じゃないと説明をする依頼者もいます。しかしこの説明は景表法では全く通用しない理論です」(森弁護士)。客観的な判断基準は一般消費者だ。業界の知識を基準にするのではなく、一般消費者の目線で表記を判断するように心掛けるのが賢明だ。
2.広告表記にも配慮をする
適切なNo.1や初の表記を実現するために、客観的な調査を意識していれば良い訳ではない。

この表記を見てどのように感じるだろうか。消費者庁が推奨する客観的な根拠をNo.1表記の近くに配置し、適切な表記を心掛けているように思える。しかし、この表記はかなり問題な表記だ。
「客観的な根拠を示しているという観点であれば問題のないような配置です。ですが、打ち消し表記となる文字は背景と同化するような色で表記していますよね。No.1だけが目立ち、一般消費者が必ずしも商品を購入した訳ではないという表記を見落として、『主婦が選ぶNo.1化粧品』と誤解をしてしまう可能性があります」(森弁護士)
今回の配色は極端な例であるが、広告のデザインが景表法違反に該当する事例もある。調査過程だけでなく誤解を生む表現になっていないかを担当者がチェックしておくと良いだろう。
3.改正景表法に向けて事業者が把握しておくべきこと
改正景表法が施行されれば、今以上に厳しい罰則が待っている。適切な表記を意識するために事業者は「調査会社による恣意的な調査の見極め」「各部署を超えた社内の連携強化」の2つのアクションが重要だ。
調査会社を活用する事業者が注意しなければならないことは、恣意的な調査を実施する調査会社の見極めだ。
森弁護士によれば、「このNo.1のように、表記が可能といった形で結論ありきでNo.1表記を提案する場合は、恣意的な調査に基づいてアンケートが実施される可能性が高いです」とのこと。
No.1や初という表記は必ずしも事業者が望む結果が出る訳ではない。恣意的な調査を防ぎ調査会社と適切に付き合うにはどうすれば良いか。
森弁護士によれば「適切な表記を目指すためにも調査会社と連携して制度設計を行うことが重要」とのこと。そのために、事業者自身も景表法に対して知識を蓄えなければならない。
森弁護士によれば「景表法の知識を社内全体に浸透させるために、まずは直近の措置命令を例に社員に対し危機意識を持ち、社内全体で連携を取ってもらうことが重要」とのこと。
なぜ連携が必要なのか。ここ直近の措置命令及び課徴金納付命令を受けた大手企業のプレスリリースを確認すると、「再発防止に向けた管理体制の強化」という言葉が必ず登場する。大手企業の法務部であれば社内全体をうまく管理できるように思えるが、なぜ出来ないのか。森弁護士によれば「法務部が景表法について精通していないからではなく、各部署を超えた連携不足が原因となるケースが多いのではないか」と分析する。
景表法は法務部だけが関わっていてもコントロールできる訳ではない。広告を出稿するマーケティング部、販売する営業部も景表法の知識をある程度把握することが必要だ。
景表法に則った表記を心掛けるよう法務部が注意喚起をしても、営業部が「これでは顧客獲得に繋がらないので表記を変えるべきだ」という声が大きくなれば、事業者が伝えたい魅力的な表記になるよう恣意的な調査が実施される可能性も考えられる。
事業者が景表法に則った表記を目指すためには、今以上に社内で景表法に対してどのように向き合うのかを考えておくことが重要だ。アップデートの方法が分からなければ森弁護士を始めとした景表法に精通している弁護士への相談を推奨する。
★記事のポイント
- 事業者は自社の広告に対する適切な合理的根拠となる裏付けを確保する
- 事業者の視点ではなく一般消費者の視点が必要
- 社内全体で景表法に対する知見を増やす
本インタビューの監修者
未来トレンド研究機構
村岡 征晃
1999年の創業以来、約25年間、IT最先端などのメガトレンド、市場黎明期分野に集中した自主調査、幅広い業種・業界に対応した市場調査・競合調査に携わってきた、事業発展のためのマーケティング戦略における調査・リサーチのプロ。
ネットリサーチだけなく、フィールドリサーチによる現場のリアルな声を調査することに長け、より有用的な調査結果のご提供、その後の戦略立案やアポイント獲得までのサポートが可能。
そんな我々が、少しでもマーケティング戦略や販売戦略、新規事業戦略にお悩みの皆さんのお力になれればと思い、市場調査やマーケティングに関しての基礎知識や考え方などを紹介しております。

03-6801-6836
info@miraitrend.com


2024年05月23日





info@miraitrend.com
info@miraitrend.com