消費者庁インタビュー「No.1調査における景品表示法」

2024年04月09日

景品表示法違反の基礎知識 困った時の対処方法

広告主はWEB上で掲載した広告に対して責任を持たなければならない。出稿した広告の「No.1」「〇〇初」表記に問題があり、景品表示法違反に該当すれば行政指導等の対象になる。 事業者として注意しておくべき点は、現状の景品表示法では調査会社は調査結果に対し責任を負わなければならないが、調査会社がずさんな調査を行い、調査結果を元に表記をしたとしても、責任を負うのは広告主だ。

㈱未来トレンド研究機構が独自にまとめた2023年度に発表された「No.1」に関する行政指導等をリスト化してみたが、全ての事例で調査受託業者(第三者調査機関)が実態とかけ離れた調査を実施していたことが判明した。

調査受託業者(第三者調査機関)が主体的・恣意的に調査方法・調査内容を提案したのか、「(広告)表示・表記」者が半ば強引または恣意的(自社にとって都合の良い)な調査方法を要求したのか不明ではあるが、遵法精神・規範意識が高く、且つ経験・実績が豊富な調査会社を選定することは必要不可欠だ。これまでの弁護士事務所へのインタビューや消費者庁 表示対策課 指導係への問い合わせ元に考慮すると、初めて調査会社に依頼をする際には以下のポイントをチェックしておくことをおススメする。

遵法精神・規範意識の高さ

業種に合わせてサンプル数を提示できる

調査方法のアプローチが明瞭

特定の「No.1表記」に対して調査実績がある

依頼する調査会社を選定し、景品表示法違反に該当しない調査結果を得るためには打ち合わせ前に以下のポイントを整理しておくと良いだろう。

No.1と表記したいエリアは全国区か地方なのか

顧客満足度、数量実績、売上など、No.1として優位になる表記かどうか

打ち合わせ時に注意しなければならない点であるが、サンプル数は商品、サービスによって異なることを理解しておく必要がある。具体的に必要なサンプル数について消費者庁 表示対策課 指導係に問い合わせをしたところ「客観的に評価できるサンプル数」と抽象的な回答しか得ることはできなかった。
そのため「これだけの客観的な調査を行っている」と主張できるよう、どの程度サンプル数が必要なのかは、競合他社のサンプル数などを調べて打ち合わせに臨むと良いだろう。

調査会社に依頼をする際に絶対に行ってはいけないこともある。強引な表記にならないよう注意することだ。No.1はあくまで客観的な情報であり、意図して(恣意的に)作るものではない。強引なNo.1や初表記は景品表示法違反に該当してしまう。消費者庁 表示対策課 指導係によれば、「No.1を取るまでアンケートを実施して欲しい」と依頼する事業者がいるとのことだ。
No.1表記を行うべく社会的信用を失墜させないようにするためにも、安価な調査料金だけで判断するのではなく、適切な調査を実施する実績豊富な調査会社選びが必要不可欠だ。

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