本文「No.1」「国内初」を実施する調査会社に依頼する際に注意すべきこと
「No.1」や「国内初」の表示に対して消費者庁が問題のある表示と受け止めた場合、責任を負うのは事業者だ。表示の根拠資料を調査会社に依頼していたとしても、最終的な掲載可否の決定を下したのは事業者であるため、責任は事業者が負わなければならない。
適切にNo.1や初の表示を行う場合は、調査会社を適切に選ぶことも求められる。一方で調査会社が多数存在しており、適切かどうかを見極めるには一定の知見が必要である。どのようにして適切な調査会社を選ぶべきか。
調査会社の選び方
適切な調査会社を選ぶために必要な視点は、「消費者庁の基準に沿った調査を実施出来る調査会社」だ。調査会社を選ぶために出来ることは、過去の措置事例を元に杜撰な調査会社にどのような傾向があるかを見極めることが重要である。
https://www.caa.go.jp/notice/entry/035684/
最近の公開されている事例を参照してみよう。ハハハラボは消費者庁より2025年6月30日に課徴金納付命令1086万円が発出された。消費者庁は「30~60代女性が選ぶダイエットサプリNo.1」をはじめ、以下のNo.1表示が、優良誤認表示に当たると見られた事例だ。
- 30代〜60代から選ぶダイエットサプリ
- 1番継続しやすいダイエットサプリ
- コスパが良いと思えるダイエットサプリ
- お財布に優しそうなダイエットサプリ
- 栄養がしっかり取れると思うダイエットサプリ
- 一番効果が期待出来そうなダイエットサプリ
ハハハラボの広告では、比較対象となる類似商品を挙げていない。そうなると、今回取り上げられた6つの項目をNo.1として表示する場合、アンケートの回答者は世の中の全ての類似商品であるダイエットサプリを自ら試した上で、その商品が一番良かったと回答しなければならないことになる。
しかし、今回の調査では実際に利用したことがある者かどうかや他の類似商品に関する知見などがある者かどうかを確認することもなく、単に同社の商品と特定の9商品のみを任意に選択して比較した上で、これらの商品を販売する各事業者のウェブサイトの印象を聞いただけのアンケートであった。そのため、回答内容と広告内容はまるで異なるものであった。
このように過去の措置事例を確認すると、広告内容とは大きくかけ離れた調査結果に基づいて広告をしたことで、措置事例対象となっている事例は少なくない。回答者がその商品を選んだという内容を広告するには、調査の際に、回答者が実際に商品・サービスを利用しているかどうかを確認することが必要だ。また、「イメージ調査」をする場合は、広告でもあくまでもイメージ調査の結果であることを示す必要がある。
調査結果に基づいて広告をするのであれば、その結果を得るために、どのような調査方法が必要になるのか、そのために調査会社がどのような回答者に向けて、どのようなアンケートを実施しようとしているのか、この点を打ち合わせ段階で明確にしておかなければ、適切な調査にはならないであろう。そのような調査に基づいてNo.1表示を行えば、事実と乖離した広告になる可能性が高いと言えるだろう。
調査会社の選び方
事業者が調査会社を適切に選ぶためにはどうすれば良いか。大前提として事業者が景品表示法の知識を適切に習得することが重要だ。一定の知見があれば、どのような調査が必要になるのかが判断出来る。
さらに依頼した調査会社が適切な調査をするのかどうかを確認出来れば、調査内容とマッチしない不正確な広告を掲載することをある程度防ぐことが可能だ。
それ以外に以下の3つのポイントに注目して調査会社を選定すると良い。
- 過去の実績
- 調査方法及び調査結果を明確に示す
- 打ち合わせ時にNo.1表示の難しさを説明する
適切な調査会社選びでは、調査会社の説明や対応が誠実かどうかが重要となる。打ち合わせをした際に、「調査の結果、No.1という回答が取れない可能性がありますが、大丈夫ですか?それでも調査をしますか?」と話す事業者の方が誠実と言えるだろう。「No.1」は簡単に証明できるものではなく、その商品に魅力がなければ、事業者が希望するNo.1の結果が出ないことは当然だ。そのことを知っていて、適切な調査内容を提案できる調査会社は信用出来るだろう。
No.1表示の実績を多数抱えている事業者でも、次のようなケースは注意すべきとのこと。
「事業者が「〇〇というNo.1表示をしたい」と説明をした際に、二つ返事で「分かりました。調査を実施します」と対応をする調査会社は注意すべきだ。調査会社であれば、どのような調査をしても、No.1表示ができるだけの調査結果が得られない可能性があることを説明しなければならないことは当然である。
仮に数年前に同様の調査を実施してNo.1の結果が出た場合でも、今は別の事業者がNo.1の支持を得ている可能性はある。このような現実を無視し、簡単に希望通りの調査結果が得られるような対応をする調査会社には注意が必要だ。
調査会社を選ぶ際に最も重要なことは調査前に丁寧な説明を実施し、その上で適切な調査方法を提案した上で調査に移行する調査会社かどうかという点だろう。調査方法は勿論のこと、調査結果を明確に示さない調査会社には注意する必要があるだろう。
その上で、その調査結果に基づき、正しい内容の広告出稿を行うことが必要になる。調査結果を整合しないような広告内容を提案する会社を選ばないようにすることが大切だ。
まとめ
今回は景品表示法に強い弁護士と消費者庁の意見を元に、調査会社の選び方について情報を整理した。適切な調査を実施する調査会社を適切に出来るかどうかも重要となる。調査会社を適切に選ぶための眼力を蓄えることも重要だ。㈱未来トレンド研究機構では、調査会社を適切に選ぶために何をすべきかについて、別ページで詳細に紹介している。こちらのページも確認して欲しい。
本インタビューの監修者
未来トレンド研究機構
村岡 征晃
1999年の創業以来、約25年間、IT最先端などのメガトレンド、市場黎明期分野に集中した自主調査、幅広い業種・業界に対応した市場調査・競合調査に携わってきた、事業発展のためのマーケティング戦略における調査・リサーチのプロ。
ネットリサーチだけなく、フィールドリサーチによる現場のリアルな声を調査することに長け、より有用的な調査結果のご提供、その後の戦略立案やアポイント獲得までのサポートが可能。
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2025年07月07日





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