日本企業発の生成AIシステム開発ツール「JITERA」がウケている理由

2024年11月08日

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インタビュー日　2024年10月15日

大規模なアプリ・サービス開発を行うためには、これまで膨大な時間とコストがかかっていた。スピーディーな対応が企業に求められる中、生成AIを活用したシステム開発が注目されている。それが、「JITERA」だ。AIでシステム開発のプロセス全体を効率化するプラットフォームだ。大企業だけでなく、海外からも注目されている。今回はAI開発アシスタントツールについて話をお伺いした。

JITERAの特徴

JITERAは毎月何百という単位で事業者から問い合わせがあるとのこと。支持される理由とは何か。担当者に尋ねたところ、他の開発ツールにないユニークさが支持されているとのこと。

「JITERAはシステム開発する際に既存のコードを読み込み、システム設計書をAIで作成することが出来ます。システム設計書を作成する生成AIの精度が高く、レガシーコードと呼ばれる他のAIでは読み込みが難しい古いコードやChatGPTのようなコードに対しても回答出来ます。システム設計に対し柔軟に対応出来る点が日本国内だけでなく、海外からも問い合わせが増加している要因ではないかと考えています」

なぜJITERAがそこまで注目されるのか。その理由は、コーディング文化の違いも大きく関係しているとのこと。

「日本はシステム設計書を細かく作ることを重きと考え、海外はスピーディーな開発に重きを置いています。日本ではシステム設計書を丁寧に作り込み、そこからアップデートを行います」

システム設計書を作り込むのは世界でも稀で、日本人は細かいシステム設計書を作ると評価されている。

「海外では素早い開発が可能ですが、日本のようにシステム設計書を丁寧に作り込む時間がありません。その結果、JITERAのようなソースコードを読み込むだけで生成AIでシステム設計書を自動生成出来ます。このシステムが海外事業者から評価を受けて、問い合わせに繋がっていると感じています」

海外の事業者はシステム設計書を作り、AIが正しくそのシステムが機能するかを回答してもらえる点も評価している。その他にもリアルタイムで開発をサポートし、AIの精度がどれほど活用出来たかを検証するレポートもある。JITERAは1回に生成出来る量が膨大なため、LPサイトレベルのシステム設計ではなく、大規模開発との相性が良いとのことだ。

JITERAの海外進出

画期的なツールとして海外事業者からも注目されているJITERAだが、海外進出にあたり、課題はまだまだあるとのこと。

「アメリカではAIに対するセキュリティが日に日に厳しくなっています。事業者がサービスを安心して使用するために、契約書を詳細に作成する必要があります。契約書を作成するだけではなく、どのような形で事業者に説明をすれば良いかも検討しなければなりません」

日本では生成AIの開発を積極的に推進している一方、海外では仕事を奪う存在だとして厳しい目が向けられている。だからこそ、海外事業者には生成AIとして安全に事業者が利用出来ることを証明しなければならないだろう。

チームでJITERAの魅力を発信

JITERAは従来の生成AI開発と差別化を図るため、チームとして開発していることを強みとして考えている。

「AI開発の多くは個人で行なっているイメージであります。そうではなく、当社はチームでAI開発が出来ることを強調し、海外に事業を展開していきたいと考えています。海外は日本のマーケットと異なり、1つの分野に対してトップ企業が多数存在します。日本で通用したマーケット戦略は通用しないため、世界に合わせた戦略が必要だと思います」

海外の担当者と実際に交渉する場で感じていることもある。現地で日本人の存在は珍しがられ、事業者も興味を持っていることだ。生成AIはアジア圏の言語が関与すると一気に開発が難しくなると言われている。アジアで開発されたツールを欧米圏の事業者が導入すれば、これまで難しいとされてきた開発も一歩進むかもしれない。

日本事業者に足りないもの

JITERAのように海外で日本事業者が注目されるためには何が必要かを尋ねてみた。

「まだまだ試行錯誤を繰り返しながらではありますが、リサーチして準備をするのではなく、思い切って現地に行って実践する覚悟が必要だと思います。生成AIはアイディアとパソコン1台があればシステム開発を行えます。まずは思いついたことを実践することも重要ではないかと思います」

日本の事業者は保守的に考える傾向がある。海外進出をする場合は、思い切った決断と行動力が必要だ。リサーチをするのではなく、まずはやってみてから考えてみようという気持ちが必要だ。挑戦的な精神でJITERAを活用すれば、これまでに無い画期的なプロダクトを生み出せる可能性があるだろう。

（記者　山口　晃平）

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