髙沢晃平弁護士へのインタビュー「ベンチャー企業の法務対策」

2024年08月22日

薬機法・医療法関連事業者が知るべきNo.1表記

インタビュー日 2024年7月3日

ダイエット商材や健康食品、化粧品など薬機法や医療法に関連する商品・サービスを新規事業として展開する事業者は、景品表示法(以下:景表法)だけでなく薬機法・医療法関連の法律を熟知していなければならない。健康食品や化粧品等でNo.1や初表記を検討している事業者は、どのような視点で事業を進めていけば良いか分からない場合は、薬機法・医療法に精通している経験豊富な弁護士に相談すると良いだろう。今回は、薬機法・医療法関連のエキスパートがチームで事業者を支援するネクスパート法律事務所の髙沢晃平弁護士に話を聞いた。

ネクスパート法律事務所
https://nexpert-law.com/

ネクスパート法律事務所は、薬機法、医療法、景表法、特定商取引法に関するリーガルチェックを強みとする専門チームを擁する。薬機法、医療法、景品表示法、特定商取引法その他関連法規を踏まえた戦略的な広告展開を提案し、事業者のビジネスをトータルサポート。

薬機法・医療法関連事業者が知るべき措置命令

美容品や健康食品等の領域に初めて挑戦する事業者は、景表法を確認する前に、薬機法・医療法のガイドラインをチェックすることをお勧めする。

「薬機法、医療法は景表法よりも一歩進んだ領域の広告規制を定めている法律です。景品表示法で規制されていない表現でも、薬機法・医療法で規制されている場合には、NGな表記となります。この点に詳しくない事業者は、まずは厚生労働省等が定めるガイドラインを見ておくと良いでしょう」(髙沢弁護士)

薬機法、医療法関連の基礎的な情報を学び、その後消費者庁が指摘したNo.1表記の中で問題の表記を確認すると良い。措置命令として参考になる事案がある。No.1表記の措置命令として多くの有識者が指摘する株式会社バウムクーヘンの事案だ。

https://www.caa.go.jp/notice/entry/033617/

「この事案は、No1表記に関して問題のある事項について詳しく言及しています。そのため、この事例をチェックしておくことで、事業者はどのような表記が消費者庁のチェック対象となるかを推しはかることが出来るでしょう」(髙沢弁護士)

改めてバウムクーヘンの措置事例のどこに問題があるか確認していこう。

消費者庁は7つの部門においてNo.1を達成した表記に問題があったと指摘する。その理由は表記右下の注釈の説明だ。

確認すると「本調査はサイトのイメージをもとにアンケートを実施し集計しております。」と記載がある。アンケート調査はWEBサイトのイメージを問うアンケートだが、表記は顧客満足度であり実態と大きくかけ離れている。

「No.1の表記でチェックすべきポイントは、広告の表示内容と調査結果の乖離です。この事案では表記に記載されていた「第一位」を証明できる資料を提示出来なかったことが原因で、措置命令となってしまいました。No.1との表記がある場合、その表現が消費者に与える影響は大きいと考えられますので、消費者庁は厳しくチェックする可能性が髙いです。そのため、調査内容と表現に乖離がある場合にNo.1と表記することは避けるべきでしょう。」(髙沢弁護士)

髙沢弁護士によれば、この措置命令では、薬機法との関係でも参考になるという。

https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms212_230614_02.pdf

消費者庁は「クリアで綺麗な 透き通った気分に」等という記載が、「商品を犬に摂取させることにより、犬の白濁した瞳が改善する効果が得られる」と誤解される可能性があると指摘している。消費者庁が指摘した表記以外も確認していくと、白内障が改善されたような犬の目の画像もあり、犬の白内障が改善したように見える表記が見受けられる。

「表記単体を見ると確かに「白内障が治る」とまでは記載されていません。しかし、「クリアで透き通った」等の表現や、商品紹介のイラストにおいて、商品摂取前には白みがかっていた犬の瞳を描いているにもかかわらず、商品摂取後には白みが取れている犬の瞳を描いているといった描写を行うことにより、白内障を患っているペットを飼っている消費者からすると、「犬の白内障の症状が緩和されるかもしれない」と誤解を与える可能性があります。消費者に何らかの誤認を与えてしまう表記か、その観点で表記をチェックすることがとても重要です」(髙沢弁護士)

No.1だけではなく、別の視点で表記をチェックすることも、薬機法が関連商品は特に確認しておかなければならないだろう。

事業者が行うべき対策

適切な運用を行うために、No.1の難しさを改めて事業者は理解しておく必要がある。

「消費者庁は調査をする際、危険なワードが大々的になっていないか、客観的な根拠が併記されているか、消費者が誤認しないか、誤認の程度や表現の悪質性を見るでしょう。特にNo.1表記は、消費者に対して影響を及ぼしやすいため、調査の対象になりやすい表記といえます。そのため、客観的かつ適切な根拠を伴わないでそのような表現をすることは避けるべきでしょう。」(髙沢弁護士)

No.1表記を適切に行う事業者は、自社調べではなく調査会社と連携をして必要な調査を実施するだろう。その際、丸投げではなく、事業者自身が調査の主導権を握ることも重要だろう。

「事業者が調査の内容や対象を指定するなどして主導権を握ることで、調査結果により客観性や適切性を持たせることもできるでしょう。さらに、調査内容や対象を指定し、調査会社との契約で明記しておくことで、調査会社に対して民事的な責任を追及することも可能となるので、調査に先んじて細かく指定をしておくことも有用です。」

No.1表記の掲載を目指す事業者が、客観的に評価される調査結果を作成し、広告に適切に反映した運用を心がけていても、消費者庁の調査が入り措置命令の対象となるケースもある。

改正景表法が施行されると、このようなケースで「確約手続」を利用し、公表される代わりに措置命令・課徴金納付命令を免除してもらうことが可能だ。しかし、IPOやM&Aを意識しているのであれば、厳格な対応が必要だと髙沢弁護士は指摘する。

「一度消費者庁から措置命令をされた場合、社会的な信用が低下することは避けられないでしょう。将来的に上場や事業の売却を考えている事業者は景表法を適切に運用する必要があります。また、措置命令が公表された場合、取材対応、是正命令に対する報告書の作成等に人的・時間的リソースが必要となり、本来的業務が滞る可能性もあります。そういった事実上の打撃があることも理解しておかなければなりません。」(髙沢弁護士)

リソース不足の事業者は専門家と連携を

大手企業であれば、法務担当者が主体となって対策を検討できるが、ベンチャー企業やスタートアップ企業の場合、リソースを十分に割くことができないこともある。
このような事業者が景表法に則った広告を運用するのであれば、複数の専門家が在籍する法律事務所と連携するのが良いだろう。
ネクスパート法律事務所のように特定のジャンルに特化した専門チームを率いる弁護士事務所であれば、広告、LPサイトの白か黒かの判断だけでなく、グレーゾーン箇所に対しても細かく説明してもらえる。

「第三者の目が多いほど、正確な評価が可能になります。コストが増えるため判断に迷うかもしれませんが、経験豊富なプロの声を聞くことでリスクを回避できる場面は多いと思います」(髙沢弁護士)

スタートアップ企業は初期段階から景表法の適切な運用を実現するために、企業法務をしっかり構築しておくべきだ。勿論一定のコストが必要になるが、将来的な企業の価値で考えれば十分そのコストに見合う投資と言えるだろう。スタートアップ企業で明確なビジョンを持っているのであれば、将来性も考えて専門家と連携し適切な景表法の運用を心がけると良いだろう。

髙沢晃平弁護士(東京弁護士会)
https://nexpert-law.com/lawyer/takasawa/

長野県生まれ
長野県立須坂髙等学校 卒業
首都大学東京(現東京都立大学)法学系 卒業
首都大学東京(現東京都立大学)法科大学院 修了
新司法試験 合格
上場準備中の企業(現:グロース市場上場)の管理部において2年間上場準備を経験
最髙裁判所司法研修所 修了

景表法・薬機法、医療法に精通。事業者に対し的確かつ明瞭なコメントを武器に、お客様1人1人に丁寧な対応を心がける。

(記者 山口 晃平)

㈱未来トレンド研究機構の方針

㈱未来トレンド研究機構では、調査会社(累計25年のキャリア・実績)としての豊富な経験を活かして、今後も「No.1」検証調査、「初(世界・アジア・日本・業界)」検証調査に関する受託業務を本格的に展開していく。クライアント企業のお悩みや課題、不安を一つ一つ解消し、「No.1」検証調査や「初(世界・アジア・日本・業界)」検証調査事業の可能性を広げていく方針である。引き続き、「No.1」検証調査、「初(世界・アジア・日本・業界)」検証調査それぞれで300件/年の受注を目指していく方針である。

㈱未来トレンド研究機構における「No.1」検証調査 受託業務の強み・ポイント

1)累計1000件(テーマ)以上、年間平均100件(テーマ)/年 の受託件数
2)No.1(検証)調査は、30年以上のキャリアを持つベテラン・リサーチャを中心に徹底調査 ※シェアNo.1、販売数量実績No.1など
3)レポート体制
・インタビュー・ヒアリングチーム
・アシスタント
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4)プロのコンシェルジュが無料相談!
5)徹底した事前相談対応(無料)!
6)丁寧な調査・ヒアリング!
7)記録技術(会話速記)/テープ起こし(レポート
8)レポート品質UPに対する強い意識!
9)フォロー・サポートはエンドレスに!
10)ご依頼頂いた内容の守秘義務は徹底致します!
11)累計25年以上の豊富な調査キャリア
12)「No.1調査」×B2B分野(メガトレンド分野)では業界No.1
13)常に調査記録をバックアップ・テープ起こし(会話速記を徹底化)

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3)レポート体制
・インタビュー・ヒアリングチーム
・アシスタント
・テープ起こしスタッフ
・レポート・スタッフ
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8)レポート品質UPに対する強い意識!
9)フォロー・サポートはエンドレスに!
10)ご依頼頂いた内容の守秘義務は徹底致します!
11)累計25年以上の豊富な調査キャリア
12)「初(世界・アジア・日本・業界)調査」×B2B分野(メガトレンド分野)では業界No.1
13)常に調査記録をバックアップ・テープ起こし(会話速記を徹底化)

(個別相談窓口)

株式会社 未来トレンド研究機構 「No.1」検証調査 業務担当

問い合わせ・相談先 E-mail info@miraitrend.com
問い合わせ・相談先 TEL 03-6801-6836

【会社概要】

会社名 株式会社 未来トレンド研究機構
https://www.espers.co.jp
所在地 東京都千代田区九段南一丁目5番6号 りそな九段ビル5階 KSフロア
設立 1999年8月19日
代表者 代表取締役 村岡 征晃(むらおか まさてる)
事業内容 (世界初、アジア初、日本初、業界初)検証調査、No.1(検証)調査、海外調査、競合調査、未来予測のご用命は”未来トレンド研究機構(略称:未来トレンド)”へ!

【未来トレンド研究機構 中核サービス】以下5つのサービス↓↓↓

  • No.1<検証>調査Ⓡ<商標登録 第6763351号> ※No.1調査、ナンバーワン調査(年間売上・販売数量実績<累計or年間>・シェア・伸び率など)
    https://espers.co.jp/no-1/
  • 初(世界・アジア・日本・業界)<検証>調査Ⓡ<商標登録 第6763352号> ※世界初調査、アジア初調査、日本初調査、業界初調査
    https://espers.co.jp/first-research/
    (競合調査・公開調査・知財調査など)
  • 競合調査Ⓡ<商標登録 第6763354号>
    https://espers.co.jp/competitor/
    (SWOT分析・競合戦略分析・4P&3C分析など)
  • 海外調査Ⓡ<商標登録 第6763353号>
    https://espers.co.jp/global-research/
    (グローバル調査:主要プレイヤー・ベンダへのヒアリング調査/顕在&潜在ユーザーへのアンケート調査:パネルヒアリングなど)
  • %(パーセンテージ)調査、シェア調査、市場占有率調査Ⓡ<商標登録 第6800111号>
    (%調査、パーセンテージ調査、シェア調査、市場占有率調査など)

本件に関する報道関係からのお問い合わせ先

窓口 株式会社 未来トレンド研究機構 「No.1」検証調査 担当部門
TEL 03-6801-6836  FAX : 03-6801-6066
E-mail info@miraitrend.com