2024年06月03日
【海外調査のコスト】費用相場と時間的コストと人的コスト
海外にビジネス展開をするためには、その国の市場の状況やニーズの有無、トレンド、文化などを知っておく必要があり、それらを把握するための調査は必須です。自社で海外調査を行えない場合は海外調査をアウトソーシングするという方法があります。
しかし、リサーチ会社に調査を依頼した場合は多額の費用がかかります。実際に見積もりを取って、その額に驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。この記事では海外調査の費用相場や海外調査が高額になってしまう理由を、リサーチ会社の視点で解説します。
・海外調査の実施コスト
・海外調査費用の相場
・実際の調査会社による海外調査費用の比較
本コラムは、市場調査業界で多くの実績を誇る未来トレンド研究機構が監修しております。
情報収集の重要性が、日に日に増している昨今、少しでも皆様のお力になれればと思い、市場調査やマーケティングに関しての基礎知識や考え方などを紹介しております。
目次
海外調査におけるコスト
海外調査を実施する際には「費用」「時間」「活用分析」という3点を意識して依頼先や方法を選ぶことが重要です。多額の費用をかけて調査をしても、それから得られたデータを有効活用できなければ意味がありません。逆に費用が安くてもデータの正確性が低かったり調査に時間がかかってしまったりすれば、その後の戦略立案に支障が出ます。
それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
費用
海外調査をアウトソーシングする場合、当然ながら料金がかかってしまいます。調査の手法や対象範囲にもよりますが、少なくとも50万円程度は必要になると想定しておきましょう。詳しい費用相場については後ほど解説します。
時間
こちらも調査内容によりますが、物理的な距離も離れており、言語や文化も違う海外を対象にする分、調査にもそれなりの期間を要します。特にデプスインタビューやキーマンインタビューなどは対象者の選定やスケジューリングなどを行わなければなりませんので、非常に期間がかかる可能性が高いです。ただし、これらの調査手法はより鮮度が高く、リアルな現地の情報を把握できるため、時間がかかっても行う価値はあります。
活用分析
調査結果を戦略立案に活かすために要する工程です。調査と同等か、それ以上に大切な作業といえます。調査の設計(調査方法や対象の選定、調査項目の決定など)から調査後のデータ・情報の活用方法まで、非常に多くの工数・時間が必要となるため、実務者の人件費もそれだけかかってしまうことになります。
海外調査費用の相場
先ほども解説したとおり、海外調査をアウトソーシングする場合は少なくとも50万円はかかります。しかし、それくらいの費用だとネットリサーチのみなど、できることが限られてしまい、得られるデータや情報も限定的です。アンケート調査やインタビュー調査、法規制調査など諸々の調査をフルで行うとなると500万円を超えてしまうケースもあります。
海外調査を行うために必要な費用としては100万円~400万円程度をひとつの目安として捉えておきましょう。
そもそもなぜ海外調査は高いのか
海外調査は国内調査と比較するとどうしても高額となり、同じ内容でも2~3倍の差が出ることもあります。見積もりを見てあまりの価格差に驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。
ここからは海外調査費用が高額になってしまう理由をリサーチ会社の視点から、調査内容別に解説します。
アンケート調査の場合
市場調査でよくとられる手法として消費者へのアンケート調査があります。近年ではネットを活用して手軽に、スピーディーにアンケート調査を行えるようになってきています。もちろん海外に対しても同様です。
しかし、日本人に対するアンケート調査と海外の対象者に行うアンケート調査では、やはりアプローチの方法や工数が大きく異なります。
翻訳コスト
海外調査においてはどうしても言葉の壁が立ちはだかります。設問や回答を翻訳するという工程が海外調査の費用が高くなってしまう大きな要因です。アンケートの場合、ただ文章を翻訳すればいいというわけではありません。より設問を簡潔にし、現地の人が理解できるようなニュアンスに変換することが求められます。
また、基本的にまず設問を英訳し、それから現地語に再度翻訳するというプロセスが発生するため、さらに費用は高額になりがちです。英語を母国語としない国、たとえばタイで調査を行う場合は、「日本語→英語→タイ語」「タイ語→英語→日本語」という翻訳プロセスが必要となります。
フィールドリサーチやインタビュー調査の場合
現地に赴いて実施するフィールド調査やインタビュー調査の場合に関しても当然のことながら費用は国内調査と比較すると非常に高額となります。
アンケート調査と同様、翻訳や通訳が必要になるのはいうまでもありません。それに加えてフィールド調査やインタビュー調査は非常に工数がかかり、実際に現地で行うため、さらに多くのリソースがかかってしまうのです。
調査そのもののリソース
たとえば日本から現地に赴く場合、渡航費用や滞在費用、調査スタッフや通訳などの人件費がかかるほか、調査のスケジューリングや対象選定、インタビュー対象者へのアポ取りなどに関しても国内調査と比較すると多くのリソースが必要となります。
また、多くのリサーチ会社では海外調査を自社で行うリソースやノウハウがなく、他の国内のリサーチ会社もしくは現地のリサーチ会社に外注するケースも少なくありません。その場合はマージンが上乗せされるため調査費用が高額になってしまいます。
他社の事例から見る料金比較
以上のように翻訳や通訳が必要となる、経費やリソースがかかるなどの理由で、どうしても海外調査は高額になりがちです。下表に国内の主要な海外調査費用の料金例をまとめました。
たとえばWEBアンケートであれば比較的安価で、調査期間も短い傾向にあります。一方、やはりホームユーステストやデプスインタビューは費用が高額で、長期間かかることがわかります。
WEBアンケート費用がわかりやすい
各社で費用を比較する場合、WEBアンケートを基準にするとわかりやすいです。フィールド調査やインタビュー調査の場合はさまざまな経費や人件費、外注費がかかり、どうしても内訳はブラックボックスになりがちです。アンケート調査の場合、サンプル数や設問数がはっきりしているから会社別に料金が高いのか、安いのかを比較がしやすくなります。
未来トレンドの料金の考え方
弊社ではしっかりと根拠に基づいて調査料金を算出しています。調査の内容に合わせ、「調査対象国×調査対象企業数×調査項目数×難易度×OUTPUTレベル」「人月単価×人数×調査期間×報告書ページ数」といった方法で料金を算出します。
詳しい費用の内訳や算出根拠はお見積り時にご説明しますので、ご不明な点・ご不安な点がございましたらお気軽に尋ねください。
海外調査は未来トレンド
未来トレンド研究機構ならプロのコンシェルジュが親身にお話をお伺いし、適切な調査方法や方向性についてご提案可能です。全世界に対応可能で、その国の言語や市場状況、文化を熟知した100人以上の現地リサーチャーが調査を実施します。
また、調査・ヒアリングだけでなく、その後のデータ・情報活用や戦略立案をサポート。海外市場への進出を強力にバックアップいたします。無料相談を実施しておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
本コラムの監修者
未来トレンド研究機構
村岡 征晃
1999年の創業以来、約25年間、IT最先端などのメガトレンド、市場黎明期分野に集中した自主調査、幅広い業種・業界に対応した市場調査・競合調査に携わってきた、事業発展のためのマーケティング戦略における調査・リサーチのプロ。
ネットリサーチだけなく、フィールドリサーチによる現場のリアルな声を調査することに長け、より有用的な調査結果のご提供、その後の戦略立案やアポイント獲得までのサポートが可能。
そんな我々が、少しでもマーケティング戦略や販売戦略、新規事業戦略にお悩みの皆さんのお力になれればと思い、市場調査やマーケティングに関しての基礎知識や考え方などを紹介しております。